伊吹山を知る山と人間学の本(伊吹山ネイチャーネットワーク) 伊吹山の石灰の歴史と今:中川眞澄(伊吹山ネイチャーネットワーク)


12. 近江『本山』石灰の歴史と今:中川 眞澄
【偽物商品あらわる】
  いつの時代も偽ブランドやパクリ商品が世間を騒がせています。『本山石灰』と呼ばれた伊吹山・鈴鹿山系を中心とする近江、つまり滋賀県産石灰も例外ではなく、江戸時代中頃の明和年間(一七六四〜一七七二)に偽物が京都の街に現れました。いわゆる産地偽装事件です。そのため、近江犬上郡、坂田郡(現米原市)内石灰生産者と大津石灰問屋は明和九年(一七七二)、京都の奉行所に訴え出ました。その内容を米原市小泉の藤田耕平家の文書から探り、あわせて伊吹山の現在を考えましょう。
【石灰の使い道】
  ところで、石灰って、何でしょう。石灰の成分は炭酸カルシウムで、主に土を中和する肥料や、漆喰という壁の材料です。そのほか、染色や製鉄の触媒といって、アルカリ性を利用していろんな使い道があります。日本のステンレスや特殊鋼生産には欠かせないものだといいます。百パーセント自給できる資源であることも強みです。その昔かるたやトランプにも表面に石灰が塗られていて、京都石灰商、昔は灰屋と呼ばれた会社の中から、世界的に有名なゲーム会社、N社が生まれています。



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