伊吹山を知る山と人間学の本(伊吹山ネイチャーネットワーク) 伊吹の水をめぐる旅に出よう!:中川 久美子(伊吹山ネイチャーネットワーク)


9. 伊吹の水をめぐる旅に出よう!:中川 久美子
 米原市は伊吹山と霊仙山などの山々にかこまれ、面積の約六三%が森です。その森に蓄えられた水が姉川や天野川へと注いでいます。また、この二つの山は石灰岩という水が浸み込みやすい石でできているため、地下水や湧水が豊富です。そして、伊吹山麓は、雪がとても多く雪解け水も豊富で、名水百選の「泉神社湧水」をはじめ、登山口にある「ケカチの水」や鉱山の下に湧き出す「桶水」など清らかで豊かな水に恵まれた地域です。
■お米と水
 お米づくりには、水が欠かせません。伊吹山麓では主に川の水を利用していますが、その中でも姉川の水を引いた出雲井という井堰は今も使われている大きな井堰です。この井堰は昭和二八年に造られたもので、米原市山東地域と長浜市の一部の約六六〇haの田んぼで使われています。出雲井から引かれた水は、水を分ける施設を通って、網の目のように隅々まで張り巡らされています。井之口円形分水、扇形をした小田分水、その先の間田五川分水は特徴的な分水施設です。今のような技術がなかった頃には、水の分け方も十分ではなく、田んぼに入れる水の取り合いで争いごとが絶えませんでした。特に出雲井では、昭和八年に日照りによる水不足で上流と下流の人々の争いが起き、警察官らが三〇〇人近く駆けつけるという大きな事件もあったほどです。


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