伊吹山を知る山と人間学の本(伊吹山ネイチャーネットワーク) 伊吹山の自然と人間:仁連 孝昭(伊吹山ネイチャーネットワーク)



1. 伊吹山の自然と人間:仁連 孝昭
■自然の中で育まれたヒト
 ヒトが地球に現れたのは六〇〇万年前と言われています。ゴリラやチンパンジーと共通の祖先から分かれてヒトとして進化しました。その中から、現在の私たち現代人の祖先が二〇万年前にアフリカで現れました。
 それはホモサピエンスと呼ばれる種であり、七万年前までにはアフリカからアジアに広がり、その後オーストラリア、ヨーロッパ、アメリカに移り住んでいきました。ホモサピエンスが地球上で繁栄することになったのです。
 人間が地球上で生存し続けることができたのは、自然環境にうまく合わせる生き方を身につけてきたからだと言えます。人類はその歴史のほとんどを通じて狩猟採集生活を送ってきました。自然に生育する根茎、果実、木の実などの植物性、そして魚や肉類などの動物性の食料を自然界から手に入れ生活してきました。また、石を加工した石器、土を加工した土器、魚や獣の骨や毛皮、樹木から住居の柱や燃料、植物繊維から糸や布などを作製し、身の回りの必要を満たしてきました。現在の私たち人間の感性や知性そして人間社会の最も基礎的な成り立ちとしてのコミュニティは、この狩猟採集生活を通じて進化し、形づくられてきました。
 さらに、最後の氷河期が終わり温暖化の進んだ一万年前には、人間は定住し農耕生活を営むようになります。農耕生活は、人の手で動植物を飼育・栽培することによって必要な食料や材料を手に入れることに重きを置くものです。いずれにしても、人間はその歴史のほとんどを自然の再生能力に依存する形で生活を営んできました。






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