伊吹山の誕生と地質(伊吹山の植物と地質と文学)   伊吹山の誕生と地質(伊吹山の植物と地質と文学)
二億六千年前の地球からのメッセージ
伊吹山の誕生と地質
作成:筒井杏正

 伊吹山の誕生は、今から2億6千万年前、赤道付近で活動していた伊吹海山と呼ばれている海底火山の噴火に始まります。この海山が地球の表皮であるプレートの移動で、現在の場所にやってきたのです。
 伊吹山をつくっている岩石は、火山活動による緑色岩類と周辺の海の生物としてフズリナ(紡錘虫)、ウミユリ、サンゴ、貝類、石灰藻などの殻が堆積してできた石灰岩です。 

南の島で見られる珊瑚礁の海浜

伊吹山頂の石灰岩に刻まれたウミユリの化石
 また移動途中、海底に堆積したチャートやユーラシア大陸から流れ出た砂や泥(砂岩・泥岩)も含まれています。このことから、伊吹山の岩石から発見されるフズリナやウミユリなどの化石が、伊吹山誕生の歴史を物語ってくれます。(文責:藤本秀弘)


「石灰岩を天然資源として活かした産業」

 この伊吹山を構成するの石灰岩は、天然資源の活用として昭和26年にセメントの原石山として大阪セメント(住友系)によって開発されました。
 採石場所は、左写真が示す伊吹山の北および西斜面の標高1,200mから山麓、また南斜面の一部に位置し、その面積は約400ヘクタールを占めています。(→詳細は「伊吹鉱山のお話し」作成中)

鉱山の100トンダンプ
▲伊吹山1,000m付近の鉱山現場で
稼働する百トンダンプカー