Nature Watching Column<3>

★バック・ナンバー
NO.25〜30


Nature Watching Vol.30<2002.12>
カイツブリ(カイツブリ科)
文と写真:出雲 孝子(彦愛犬自然観察会会員)

 彦根市内を流れる平田川の河口でカイツブリを見かけた。カイツブリは全国各地の湖沼や流れのゆるやかな川に生息する。北海道、東北では夏鳥として渡来。本州中部以南では留鳥。全長26cm、冬羽は夏羽に比べ淡色になり、キリキリキリ…と高い声で鳴く。からだの後端についた弁足で水を蹴ってたくみに潜水し、水生の昆虫、エビ、小魚などを捕らえる。飛ぶことはできるが、危険がせまった時なども、もぐって逃げ高く飛ぶ姿を見ることはめったにない。水上に水草を積み上げて浮巣をつくり、白い卵を2〜6個産んで温めるが、巣を離れるときはくちばしで水草を卵の上にかける習性がある。古名をニホ(鳰)といい万葉集にも登場するが琵琶湖には古来、カイツブリが多かったためか「ニホ(鳰)の海」の異名がある。なお昨今、琵琶湖ではブラックバス、ブルーギルなど大型の外来魚が繁殖し、それをエサにするカワウ、アオサギなど大型の水鳥がふえ、小魚をエサにするカイツブリなど小型の水鳥が少なくなっていると聞いた。生態系の乱れは魚類に限らず、その保全、復活は大きな課題である。


Nature Watching Vol.29
ヤナギイノコズチ(ヒユ科)
イヌノフグリ
 イノコズチって、どこでもある雑草ですが、とても奥が深いですよ。よく見られるのはヒカゲイノコズチ(日陰猪子槌)の事で茶褐色のふくれた節をイノシシの踵(膝のように見える部分)にたとえたものと言われています。あまり日の当たらない所に生え、全体に毛が少なく花はまばらにつきます。
(←ヤナギイノコズチ)
 それに対して、ヒナタイノコズチ(日向猪子槌)は、日当たりのよい道ばたや荒れ地に生え、全体に毛が多く葉も厚く花は密生しています。
 提供の写真は、ヤナギのような細長い葉をもつヤナギイノコズチ(柳猪子槌)です。山地の林内に生え、葉の表面は、なめらかで光沢があり、花は小さくややまばらにつきます。このヤナギイノコズチは、あまり多くは見られません。
 一方、ヒナタとヒカゲイノコズチは、ともに根を乾燥して漢方で(ごしつ)と呼び使われているそうですよ。

文と写真:田中 縁(彦愛犬支部会員)

どこでもあるイノコヅチ
葉っぱが広いですね。
上のヤナギイノコズチと
見比べてください。


Nature Watching Vol.28
アオマツムシ(コオロギ科)
 お盆過ぎると、暑さも一段落で、夜になると虫たちの美しい音色が聞こえてきます。その音色の中でも一番目立つのはこのアオマツムシでしょう。街路樹が植えられている道などではうるさいくらいに鳴いています。
 アオマツムシは、元々は明治時代に中国大陸から渡ってきた「帰化昆虫」で、生息範囲を広げています。木の葉を食べて育ち、街路樹や庭木に生息します。
 「マツムシ」というと、チンチロ、チンチロ、チッチとおとなしく鳴く、マツムシがいますが、アオマツムシは「リィリィリィリィリィー」と大きな音色で鳴きます。また、姿は緑色で葉のような形をしています。これから10月の半ばくらいまでは、鳴きつづけます。

文と写真:綾木 陽一(彦愛犬自然観察会会員)


Nature Watching Vol.28
ツルボ(別名サンダイガサ)
 ツルボの語源は不明だが、蔓穂の字を当てることが多い。別名は参内傘。公家が参内する時、従者がさしかけた長い柄の傘をたたんだ形に花序が似ていることによる。
 山野の日当たりのよい所に生える多年草。鱗茎は卵球形で黒褐色の外皮に包まれ、ネギのようなにおいがする。
 葉は2個根生し、長さ15〜25センチの扁平な線形。花茎は高さ20〜40センチになり、淡紅紫色の花を総状に多数つける。花の頃、根生葉があるものとないものがある。花茎にはふつう葉がつかない。花期8〜9月 分布は、日本全土。
「山渓ハンディ図鑑 野に咲く花」より

 このツルボが彦根城内に群生している所があります。表坂を上がり、廊下橋の下をくぐって突き当たりの石垣の上です。ついでがあればご覧下さい。

文:出雲 孝子
写真:田中 縁
(彦愛犬支部会員)


Nature Watching Vol.27
琵琶湖岸に咲き、人々に守られる「癒しの花」
ハマゴウ
伊藤ひさ子(彦愛犬支部会員)
 この花は、琵琶湖岸の砂地に這い首を持ち上げる様にして、7月頃紫色の花を見ることができます。波に洗われないように囲われた近在の人たちによって守られているのです。
 花名は「はまごう(蔓荊)」といい、クマズラ科の落葉低木です。暖地の海辺の砂地に群生しています。幹は砂上を横走し、葉は楕円形です。
 夏になると深紫色の唇型の花を短穂状ににつけ、球形をした果実を結びます。
 この果実は、薬効があり、生薬では蔓荊子(まんけいし)といって、強壮涼剤として利用されているようです。また、別名はハマボウ、ハマハイ(広辞苑)と呼ばれます。
実は、匂うととても良い香りがします。中には、抹香の香がするという人もいますが、一種のアロマテラピーの効果があり「癒しの花」と言えるかもしれませんね。でも、もし見つけても摘み取らないでください。

Nature Watching Vol.26
テン(イタチ科)
筒井 安正(滋賀自然観察指導者連絡会彦愛犬支部)

この場所でテンと対面
テンのフンをイラスト化
★撮影日:2002.5. 霊仙山麓キトラ竜王
 五月下旬の休みを利用し、霊仙山麓の山深い明幸(廃村)からさらに山入る「北原竜王・大杉竜王」付近で野営する。北原と書いて「キトラ」と読む。老檜の根本の祠に2神が祀られている。野営は、その反対方向。目的はロボットカメラをケモノ道に仕掛け、夜行性動物の撮影だが、この夜はカメラが作動せず失敗。このケモノ道は幾種かの動物が行き交いフィールドサインも多い。テンとは夕方、真っ正面で対面した。まだ、冬毛らしく黄金の長い尾をなびかせ、シャクトリムシのような歩行で瞬間消えたが、木陰に潜み立ち止まったため撮影したが、撮れたのは尾だけ。はっきり残されたのは、独特に曲がりくねったフンだった。大きさ:約50cm(オス)、分布:本州、四国、九州

 ★その他、以下の動物のフンなどが混在していた。

▼カモシカのためフン
▼シカのフン
▼ウサギのフン
▼サルのフン

Nature Watching Vol.25

文と写真:田中 縁(彦愛犬自然観察会会員)
 ハマヒルガオは、代表的な海浜性植物の一つ。「そのハマヒルガオが、なぜ琵琶湖畔に生育しているのか。太古の昔、海とつながっていたのでは・・・」と新聞に載っていました。守山市は、保護活動によって、2,000平方メートルの群生があるそうです。同じく彦根市の湖畔にもかたまって生育しているところが何カ所かあります。今の時期ほとんどの場所で見られます。花が終わったら、砂地に赤みをを帯びた球形の実が、あちこちにぽつぽつあり、可愛いですよ。
ハマヒルガオ(ヒルガオ科)
 砂地に生えるつる性の多年草で地下茎を長くのばして増えます。葉は互生し、長さ2〜4cm、幅3〜5cmの楕円形。基部は深く心形、葉脈から長い花柄を出し、淡いピンクの花をつけます。大きさは、4〜5cmの太い漏斗形、花期は図鑑によると5月から6月。彦根では、8月初旬まで見ることができました。
Nature Watching Vol.24
イヌノフグリ(ごまのはぐさ科)
出雲孝子(彦愛犬支部会員)
 畑や道ばたに生える二年草。茎の下部は枝分かれして地上を這い、長さ5から15cmで斜立する。下方の葉は対生、上方の葉は互生、葉腋に紅紫色のすじのある淡紅白色の小花をつけ、がくは深く四つにさけ、花冠も四つにさける。さく果は長さ約3mm、幅4〜5mmで、ややふくらみ、2個の球をくっつけたような形は、名の通り犬の陰嚢(ふぐり)にそっくり。
 オオイヌノフグリやタチイヌノフグリが入ってきてからは少なくなってしまい、滋賀県でも滅多に見られなくなったが、今年、彦根市内で五カ所、確認した。