道端の日だまりで、ルリ色の花をつけたオオイヌノフグリは、春の訪れを告げる植物です。イヌノフグリは、果実の形を犬の陰嚢に見立てたもので、可憐な姿にそぐわない感じもしますが、細い花柄に
ぶら下がった果実を見れば、ユーモラスなその形と命名の妙に、多くの人が微笑むでしょう。
外来種の侵入で少なくなってしまった在来種のイヌノフグリと、外来種の3種を紹介します。 |
|
<その一>▼オオイヌノフグリ▼
|
|
|
道端や空き地、田畑に生える二年草。茎はよく分枝して、地上を這い、卵円形の葉をつける。花は茎の上部の葉腋に1個ずつつき花柄が長いため葉より抜きんでて上向きに開く。
花冠は直径7〜10ミリの皿形で、深く四裂し、さわるとポロッと落ちる。雄しべは2本で、扁円形の果実は、中央が大きくへこむ。帰化植物で、日本へはヨーロッパか米国経由で侵入したらしく、今では至る所に見られる。 |
|
|
<その二>▼イヌノフグリ▼
|
|
|
全体に小型で淡紅紫色の花は直径3〜4ミリ。北海道を除く日本各地に自生しているが、外来種に押され、今では山間部に行かないと出会えない珍品になりつつある。
|
|
|
<その三>▼フラサバソウ(別名:ツタバイヌノフグリ)▼
|
|
|
ヨーロッパ原産の帰化植物。明治初年にフランスの植物学者フランシェとサヴァチェが長崎で採集したと記録にあるが、長い間実物が見つからず、記録の誤りとされたこともあった。
1937年、長崎で再確認され、両氏を記念した和名が付けられた。
現在では北海道から沖縄まで分布し、関東地方以西に多い。花は直径3〜4ミリで淡青紫色。茎の基部に花の頃まで子葉が残るので、イヌノフグリなどと識別できる。 |
|
|
<その四>▼タチイヌノフグリ▼
|
|
ヨーロッパ原産の帰化植物で、明治の中頃に気づかれ、現在では各地に広がっている。上の3種の茎は分枝するが、本種の茎は直立する。花は3〜4ミリの青紫色。花期は3種より少し遅い。
|
|
|
|
参照文献:「山渓ハンディ図鑑」
|