NAture Watching Column <5> 2003.6月〜12月

Nature Watching No.41 2003/11/24
とても珍しい「ジョウビタキ」のハヤニエ
 うちの庭にも秋になると どこからともなくモズがやってきます。やって来た当初はヒバリ、ホオジロなどの泣きまねをしています。百舌(モズ)というのはこの泣きまねからついた名前のようです。
 秋も深まってくると、カエル、カナヘビ、カマキリなどが、木の枝に刺さっているのを見ることが多くなります。そう、ハヤニエです。
 先日、庭の木に、鳥がつるされているのを発見しました。高さ1mくらいに桜の木につるされています。この鮮やかなお腹のオレンジ色と背中の白い斑点はジョウビタキに違いありません。たぶん、南の国から渡ってきたばかりで疲れていて、モズにやられてしまったのでしょう。憐れです。 ▼(下に続く)

ジョウビタキ

▲(上から続く)

 実は、こんな小鳥をハヤニエにしたのを見たのは初めてでした。調べてみると、小鳥やねずみなどの小型ほ乳類もハヤニエにすることがあるようです。ハヤニエは、短期間、もしっくは長期間の食料の保存、なわばりの境界を示す印、
 えさを引き裂いたあと、好物でないえさを刺して遊ぶなどの説があります。うちのジョウビタキは、その後食べれれた形跡はないまま、ウジが湧いていました。
 モズは、猛禽です。うちの飼い猫が外に出ると、キーキーと声をあげながら、襲ってくるモズが数年前にいたこともありました。ネコを襲う鳥なんて見たことがありませんでした。今回の画像は、ちょっとショッキングな画像で、このホームページにふさわしくないかもしれませんが、すぐ近くの庭でも弱肉強食の世界があるということで書いてみました。

●文と撮影:藤関義樹(彦愛犬自然観察会会員)



Nature Watching No.40 2003/11/16(Sun)
「ジョウビタキ」
 秋から春にかけて日本にやってくる冬鳥。
里山から農耕地、公園、市街地でも見られ、散策していると比較的出会えることが多い野鳥の一種です。
 胸から腹部にかけて橙色なのが特徴で、少し離れていても分かります。
背部は黒色ですが、一部、白い部分があり、これも目立ちます。
 口笛のように「ヒィー、ヒィー」と少し寂しげな鳴き声をします。
 この写真は岐阜県谷汲村の横蔵寺の奥にある「いこいの森」で撮ったものです。

●文と撮影
 彦愛犬自然観察会:綾木 陽一
ジョウビタキ


Nature Watching No.39 2003.11.10
「サルナシの果実」
 「サルナシ」って、知ってますか? 漢字では猿の梨と書きます。猿が梨を食べるが如く美味しいということから命名。
 この写真の果実、キウイとそっくりです。大きさは直径約3cmと小さいです。食べてみると見たようにキウイと似ていますが、さらに濃くした味です。しかし、多少ノドにイガらっぽさが残ります。調べると、日本の野生の果実の中で、最も美味しい部類にあげられるとのことでした。子どもの頃は、グミやクワの実をよく食べました。この中で最も美味しいと記憶にあるのは「イワナシの実」でした。
 あとは、野イチゴ、ヤマブドウ。アケビは種が多すぎて甘い果肉とともに吐き出してしまいます。最近では、ヤマナシを食べました。とても酸っぱく、渋みがありました。写真はサルナシの実と花。花は、伊吹町診療所のHataboさんが撮影されたものを借用しました。
【サルナシ・猿梨】マタタビ科
山地に生える木。5〜6月白い花が咲く。
●文と撮影
 彦愛犬自然観察会:杏正


Nature Watching No.39 2003.10.26
干あがった芹川ダムと色づく木の実
筒井杏正:彦愛犬支部会員
えん堤から望むダム湖

えん堤から望むダム湖、水たまりが2つ。
今年の渡りの水鳥の観察は無理かも。それより、その影響は?。
 10月中旬、色づく秋の木の実を観察しようと、久々に訪れた多賀町の県立野鳥の森。駐車場から歩いて登りつめるとなんと芹川ダムは、完全に干あがっていた。初めての光景だ。このため、どうしたことだろうと管理人の一円さんに聞くと、排水管の垢落としとのこと。このような風景も素晴らしい。ゆっくり秋の実を楽しみながら一周することにした。
こんな、機会めったにないから皆さんも訪れてみては。中央にある島?も歩いて渡れます。

上流から眺めたダム湖
 昨日の10/24、これよりわずか上流に第2のダム「栗栖ダム」改め「芹谷ダム」の協定調印式が県、彦根市、多賀町、各地元の対策委員長間で円滑に行われました。
★観察できた実のつく樹木
 ハンノキ、サルトリイバラ、クサギ、タカノツメ、クロモジ、ホツツジ、ガマズミ、ミツバアケビ、ソヨゴ、リョウブ、シキミ、ヒサカキ、ヤブツバキ、ヤマアジサイ、ヤブムラサキ、ヤマフジ、クサギ、ドングリ(コナラ、ミズナラ、アベマキ)
ガマズミ
ガマズミ(赤)
タカノツメ
タカノツメ(黒)
ヤブムラサキ
ヤブムラサキ(紫)
クサギ
クサギ(赤と黒)
ミツバアケビ
ミツバアケビ(茶紫)
唯一のトンネル
唯一のトンネル
ダム周遊路にある唯一のトンネルの向こうが、赤く色づくのは11月中頃。
駐車場の入口は、真っ赤に染まったイロハモミジがとてもきれいです。
11月後半の休みに絶対行こう!(希望的観測)


Nature Watching No.38
ヒシ(ヒシ科)

文と撮影(2003/9/15):田中 縁(彦愛犬支部会員)
ヒシは、湖、沼、河川の淀みなどに群生し、一年草の浮葉植物で富栄養化の進んでいる所などでは異常繁茂する例もあります。彦根も良く見られます。浮葉はロゼット状になり、葉の形は三角形で特徴があり、浮のうは大きくなったり、そうでないものもあります。花は7月から9月にかけてみられ、1ロゼット当り1日に、1個〜2個の花を咲かせます。花びらは4枚で雄べ4、雌しべ1で自家受粉して実になります。実は4つのがく片のうち、2つが発達してとげになります。実の大きさや、形によって種類が分けられ、オニビシ、コオニビシ、ヒメビシ、トウビシ(食用に中国から導入された)などがあります。

ヒシの実は、昔はよく食べられていたそうです。生食、茹でて食べる、粉にして団子にするなど食べ方があるようですが、私の母は、蒸してて食べたそうです。昔は、水路(小さな川)を田舟で行き来をしていたので、舟に一杯取ったそうです。1つの実から食べられるのは、ほんの少しです。味は、クリに似ているようなので、1度ためされては?忍者のまいた、まきびしは、棘の4本あるオニビシの事です。ヒシの名の由来は、葉の形がひし形である事、実がひしげている事などいくつかあります。

(滋賀の水草、日本水草図鑑による)



Nature Watching No.38
オグルマ(小車)

文と撮影(2003/8/15):出雲 孝子(彦愛犬支部会員)
 放射状に整然と並んだ舌状花を小さな車に見立てたものという。
中国では頭花を健胃、利尿などの薬用にする。湿地や田のあぜに生える
高さ20〜60センチの多年草。茎には軟毛があり、上部で枝分かれする。
枝先に黄色の頭花を1個ずつつける。頭花は3〜4センチ。
滋賀県、近畿地方のレッド(絶滅危惧種)だが、彦根市内、ベルロード・パリヤ前の
植樹枡に咲いていた。電線の地下埋設工事のため、運ばれてきた土砂に種子が
混じっていたものと思われる。

Nature Watching No.37
名前の由来や方言名が、じつに楽しく、面白い
ホタルブクロ<蛍袋>
文と撮影(2003/6/15):出雲 孝子(彦愛犬支部会員)
 山野や丘陵に生える高さ40〜80センチの多年草。
茎の上部に長さ4〜5センチの大きな鐘形の花をつける。
淡紅紫色または白色で濃色の斑点があり、先は浅く5裂する。

 このホタルブクロの名の由来を探ってみると、いろいろな説があるからじつに面白い。

・ぶらさがって咲く花を提灯に見立てて、火垂(提灯の古語)をあてたという説。

・子供が花の中にホタルを入れて遊んだからという説がある。

 その他、方言名としては、チョウチンバナ,ツリガネソウ,トックリバナ,アメフリバナ,ポンポンバナ,ホタルグサなどとさまざまで、どれもホタルブクロの特徴がよくでていて楽しくなる。 

 一般には蛍袋と書くことが多く、ちょうど蛍の飛び交う頃に咲く花として風情がある。


Nature Watching No.36
モリアオガエル、身近な棚田で愛の営みを観察
 近くでモリアオガエルの産卵に出くわしました。
どうして今まで気づかなかったのだろうか。それとも、身近な自然に目を凝らすことがなかったのだろうか。 この出来事は、灯台下暗しを探ると、新しい発見に出会うという一例かも知れません。
 その場所は、私の住む、秦荘町の集落、斧磨(よきとぎ)の棚田の一角です。産卵を確認したのは、田んぼの脇に生える4メートル高さのヒノキの枝先端。
 田んぼの中へ脚立を持って入り撮影しました。時間は午後11時頃ですが産卵は10時ごろから4時間程かけて直径15センチ位の泡立てた卵魂をつくっていました。
 掲載写真は、大きなメスの背中に小さなオス2匹がしがみつき、泡だらけになって受精しています。
 そして、約1週間でこの卵からオタマジャクシがかえり、下の田んぼに落ちて育ちます。
小さな里山で、ある生きものの生命が誕生する大きな営みの一つです。
近くの岩倉川で、約一週間の恋の炎を燃やすゲンジボタルも、また同じ生命誕生の一瞬の出来事なのです。
 私たち人間も、同じ自然の生物。互いが共存共栄するために、小さな彼らに、今、何ができるか考えて見ましょう。

文と撮影(2003/6/15):西澤一弘(彦愛犬支部会員)