★日 時 2005年(平成17年)4月16日(土)9:00〜12:00
★場 所 霊仙山麓落合周辺(多賀町)
★参加者 15名(うち子ども3名)
★指導員 長束、安達、筒井の3名
★天 候 快晴、温度15〜18℃
★レポート Ansho ★撮影 長束憲一&Ansho
★観察した植物
ヤマルリソウ、シャク、コンロンソウ、セントウソウ、スズシロソウ、カテンソウ、ミヤマキケマン、オオイヌノフグリ、タネツケバナ、ハコベ、ミヤマハコベ、カキドオシ、アズマイチゲ、カタクリ、オオタチツボスミレ、コスミレ、ミミナグサ、オランダミミナグサ、ヤマネコノメソウ、ボタンネコノメソウ、ホクリクネコノメソウ、ニリンソウ、ワサビ、ヤブツバキ、チャルメルソウ
★観察したその他
鳥類=姿はキセキレイ、鳴き声は、シジュウカラ、ヤマガラ、アカゲラ、カケス
その他=タカハヤ、トカゲ、カナヘビ、カメノコテントウムシ、カメムシ

 例年より一週間遅い春は、桜花爛漫のまっただ中。しかも、快晴に恵まれ、さらに一週間遅く春を迎える霊仙山麓落合周辺は、春の生きものたちの息吹を感じるに絶好の観察日和となった。
<今日のパート1=事前学習・多賀町博物館>
 「自然と友だちになろう」の映写会
★事前研修会の主な趣旨
 今まで行ってきた観察会が、植物の名前や野鳥の名前、その詳細を教え教えられるという専門的に学びたい大人の参加者の関係にあったことを反省し、自然観察会の本来の意味を理解し、原点に立ち返ることにあった。
★地球には180万種ともいわれる生きものたちが暮している。
 自然の中では、私たちの想像をはるかに超える魅力的で複雑なドラマが展開されている。私たちがこれらの生物の暮らしを知ることは、それぞれの生物が、どんなふうに環境に適応し、どんなふうに共存しているか知ることだ。
 それは、単に生物に対する知識を増やすということではなく、同じ地球上に生きる生物として、他のものをどれだけ見やる目を持つか、私たちが、どんなふうに自然と共存して行くか知ることだ。
霊仙山麓落合周辺の自然観察
 いつの観察会も同じであるが、大人たちは植物などに興味を持ち、子どもたちは、動くものに興味がある。
 子どもたちは、霊仙山の大洞谷から雪解け水が流れる落合川に入り、タカハヤの群れを追う。

 それぞれの感性とレベルの中で自然の中にいきる生きものをじっくり観る。

タカハヤの群泳
 この日は、青空でそよぐ空気も暖かく、川辺には、多くの虫たちが飛んでいる。

 川の中にいた水生昆虫が羽化したもので、カゲロウやトビケラの仲間だ。

 水中の生物が大人になって空を飛ぶ、これも神秘な世界だ。
 まだ、小さいカメノコテントウムシの子どもかな?
 落合は廃村だが、祭りなどことあるごとに元住民は、帰省されるらしく集落は、きっちと整備されている。
 そんなある民家の裏は、かって畑跡で春の柔らかな陽がいっぱい注いでいる。
 緑、みどりの中は、なぜかこころに安らぎを与えてくれる。
 そして、あちこち無数にツクシが生えている。
 水洗いしハカマをとって、湯がいても、油で揚げても癖もなく美味しい定番の山菜かも知れない。
ツクシとりに夢中。
 道端にいくらでも生えていて誰もが振り向かない山菜がいくつかある。シャクはニンジンの葉っぱのようで、味も良く似ていて癖がある。
次はコンロンソウ、花の名は、中国の崑崙という山が年中、頂に白い雪をかぶる様子とこの花の白さを例えたと言われる。味は、素直で癖があまりなくお浸しやなべ物に入れてもよい。

シャク(食・ニンジン葉の味)

コンロンソウ(食・癖なく美味)
 いろいろな道端の雑草が食べられることを知ると、ストアーに野菜が無くなった時や遭難した時に役立つこと、間違いない。

▼今日落合周辺で観察できた花々▼

アズナイチゲ

カテンソウ

フクジュソウ(もう終わり)

ハクサンハタザオ(道の岩場に)

ホクリクネコノメソウ

ジロボウエンゴサク

クサノオ

ミヤマカタバミ

ニリンソウ

スズシロソウ

ヤマルリソウ

コスミレ

この写真は垂直だが、
実際はこれより30度時計回り
 民家の裏山の急斜面に数こそ少ないがカタクリが咲いていた。
 この花やミスミソウは、ほかの植物が繁る前に花を咲かせ、そしてすぐに姿を消してしまう。このことから、これらの植物をスプリング・エフェメラル(春のはかない命・妖精)と呼ばれている。

 キセキレイは、里山の渓流の近くや民家の屋根の上を飛び回っていることが多い。セキレイの仲間と同じく人が近づいてもあまり逃げないので、観察しやすい野鳥だ。

キセキレイ

ヤマガラ
 落合の民家の屋根にとまったのをゲット(長束)。  「ツッピー、ツッピー、ツツッピー」とさえずる、シジュウカラも同じようなさえずりだ。

イノシシ捕獲の檻
 イノシシはあちこちの山道や畑跡を掘り上げている。おそらくこの中にイノシシの大好物のいも類を埋めて誘いをかけているのだろう。しかし、イノシシが踏み入った跡は見られない。敵もさるものだ。
 落合から下った河内の集落の日当たりの良い路傍にイチリンソウが群生していた。さらに下り甲頭原にもニリンソウとともに生えている。
 そして、近くの沢の合間に大きな花のハコベ、ミヤマハコベが群生していた。
 これら長束指導員が日頃探索し、調査されたものを教えていただいた。

ミヤマハコベ
 この花びらは、オドリコソウの花びら。参加された奥村さんが「頭に花笠をつけ、手を前に出し踊っているように見えるでしょ。ここからこの名づけられたらしいですよ・」と教えていただいた。
 なるほど、本当にそのように見えるね。と皆で新たな発見をした。
 霊仙山麓の里は、これからますます緑を深めて行く。同時にいろんな生きものたちも山から、森から、渓流から顔をだすだろう。権現谷も行者谷も白谷も、鍋尻山も御池岳も藤原岳も、鈴鹿山麓は、これからが面白い。



「湖の国の自然観察会」
事務局 筒井杏正