
| 春の雪舞い散る今日。犬上川河口の琵琶湖畔で彦愛犬支部としての会名では最後の自然観察会となりました。 今後、このホームページでは新たに「湖の国の自然観察会」として出発します。なお、自然観察会の対象地域は、今までの彦根周辺というフィールドに限らず滋賀県全域を対象にさまざまな自然観察会を掲載して行こうと思います。 ただし、しばらくの間は本HP作成者である筒井が個人のスタンスで作成して行きます。それでは、今後とも宜しくお願いします。 「湖の国の自然観察会」HP作成者:筒井杏正 「早春の琵琶湖畔ウォッチング」 |
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| ★観察日時 ★ 観察場所 ★参 加 者 ★会員参加 ★天候 |
2005年(平成17年)3月13日(日) 犬上川河口琵琶湖畔(彦根市) 7名 渡邊輝世、出雲孝子、伊藤ひさこ子、石谷彬、安達謙吾、長束憲一、筒井杏正 小雪、体感温度2度 |
| ★観察テーマ | 1.湖岸の貝がらを観察しよう。 2.早春の樹木を観察しよう。 3.早春の野鳥を観察しよう。 |
| ★観察した貝殻 | セタシジミ(琵琶湖固有種)、タテボシガイ(琵琶湖固有種)、メンカラスガイ(琵琶湖固有種)、ササノハガイ(琵琶湖固有種)、ヒメタニシ、カワニナ類 |
| ★観察した野鳥 | 風切羽の白いカラス、釣り糸に絡まって飛べなくなったユリカモメ、メジロ、ヒヨドリ、ツグミ、シジュウカラ、カシラダカ、セグロセキレイ、ハクセキレイ、カワウ、カイツブリ、キンクロハジロ |
| ★観察した植物 | オニグルミの冬芽、タチヤナギ、クロマツ、ポプラ、タブノキ、ヤドリギ、エノキ、タコノアシ、 |
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レポート・撮影★筒井杏正
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| 春の寒波襲来で、小雪が舞うという悪天候の中で、参加者は最終回といいながらわずか6人の会員のみの観察会となった。 |
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集合場所は県立大学の駐車場、この頃、本来なら雪が雨に変わり、氷が水になる季節。これからは雪よりも雨が多くなり、この早春の雨が木々の芽吹きを促す。このことを先人は「木の芽もやし」とか「木の芽おこし」などと呼んだらしい。 しかし、この雪には、木の芽も思わず首?を引っ込めただろう。 でも、この辺りの春の訪れかたは、あと何度か水気の多いぼたん雪が降り、やがて霰(あられ)、霙(みぞれ)と雪質を変えて、ゆるりゆるいと春に向って行くのだろう。 |
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▼エノキとヤドリギの観察▼
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(渡邊指導員)この駐車場のちょうど向かいに、神社がありそこに大木のエノキがある。この木は、江戸時代一里塚の目印として植えられたり、葉は国蝶のオオムラサキの餌になることで知られる。また樹形がいいため、庭木として人気もある。 |
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| しかし、このエノキ、落葉高木だから冬はすっかり葉が落ち緑はないはずだが、緑々したものが枝のあちこちに付いている。 ヤドリギだ。 渡邊指導員が解説する。落葉樹に寄生する常緑樹。今ごろで黄色の小さな花がつく。 |
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| 10〜12月、粘液質の果肉に包まれた果実がなり、ヒヨドリなどの野鳥が好んで食べる。種は消化されず排出され、宿主(樹木)に付着して発芽するという。なんとそのユニーク繁殖の仕方が実に面白い。 しかし、このヤドリギ、幹に根を食込ませ、その「寄生根」から養分、水分を吸収している。このエノキに今100以上寄生していると思われるが、刈り取らなけらば枯死するとのことだ。 |
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▼犬上川河口、河川林を調べる▼
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| 犬上川は、鈴鹿の北麓を源流として、琵琶湖へ注ぐかなり水質のよい一級河川だ。その河口には、大きな中洲があり、多くの樹木が茂っている。(下の写真) 私たちは、堤防から河原に降りその河川林にたどり着いたが、今日の積雪で、それ以上前に進むことは出来なかった。 立ち枯れたタコノアシ→ |
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| 右の植物は、河原の雪原のあちこちに立ち枯れていたタコノアシとい草だ。花や実がびっしり並んだ様子を吸盤の多いタコの足に見立てたという。 | |
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後方にある犬上川河口の中洲の森に向う |
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| この河川林は、現在「犬上川の生態系保全に関わる調査研究」として、隣接する滋賀県立大学の環境科学部が研究を続けている。 以下、滋賀県立大学環境科学部安野正之氏レポート(HPで公開) ここには、南方性の常緑樹であるタブを含んでおり、植生としてかなり貴重であるばかりでなく、そこに生息する他の生物も良く保存されている可能性があり、研究対象として注目に値する。大学が河口近くに設置されていることもあり、河畔林を含むまた犬上川の特性を調べ、河川の生物の生息環境を明らかにすることを目的としてきた。 |
常緑種のタブノキ |
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本研究はそのため犬上川の源流から河口までの全域を調査し、最終的には自然環境の教育の場として活用するための基礎的なデータを取ることを目指している。 |
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「湖岸で気になった植物」
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ノカンゾウ |
オニグルミの冬芽 |
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これは天ぷらにするとシャキシャキ感があってとても美味だ。
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良く例えられのは、羊の顔に似ていることだ。 |
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▼琵琶湖畔で淡水貝の観察▼
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| (筒井指導員)琵琶湖は、世界でも三番目に古い湖で、その誕生は約500万年前にさかのぼるといわれる。しかも、一度も海水にまみれることもなかったため固有種も多く、淡水魚は10種以上、淡水貝類は22種あるといわれる。 |
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三月半ばというのに冷たい比叡下しが頬をなでる |
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湖岸をあるいて集めた淡水貝類 セタシジミ、タテボシガイ(イシガイ)、ヒメタニシ、 メンカラスガイ、ササノハガイ、カワニナの種類 |
| 三年前と比べると貝の量も種類も少ない | |
| 三年前(2002年)の同じ頃、同じ観察会を催したが、この時と比べると、明らかに種類も量もかなり少ない。 また、見つけた貝は、湖岸線より上の土の混じった砂地から出てきたものでほとんど古いものと思われる。 |
![]() 今回は見つけられなかった 琵琶湖固有種の"ナガタニシ” |
| どうして少なくなるの?(絶滅危惧種はなぜ増える) | |
| 五十億年という地球の長い歴史の中で、環境の変化に適応できなく絶滅した生きものはたくさんいる。しかし、ここ百年の間で約800種が絶滅したいわれている。そして、その多くの原因が人間の暮らしの都合によるものだった。 それには、人間の直接的な働きによるものと間接的な働きによるものの2つに分けられる。また、最近では人間が作り出した化学汚染物質が今まで以上の原因として深刻化している。 |
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化学汚染物質 "ダイオキシン”
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| 最近、自然の生物だけでなく人類を含めた生態系に与える影響の大きさが計り知れないと指摘されているのがダイオキシン類だ。特に性ホルモンの影響をもたらす。また、この物質が厄介なのは土中に浸透すればその毒性が半分になるには数十年かかるという。 |
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| 食物連鎖と化学汚染物質の関係 | |
| 例えば土中のミミズが1つの毒性もっていると、一日に10匹のミミズを食べるモグラは10の毒性をもつ。次はそのモグラをたくさん食べるヘビはさらに多くの毒性をもつ。次にそのヘビを食べるオオタカやイヌワシは、もっと濃度の高い毒性(実際は数百万倍)もつことになる。このように食物連鎖の頂点にあるものほどその影響が受けやすくなる。つまり、自然界の頂点に立つ人類の生存の脅威となりかねないといわれている。 | |
| 推測に過ぎないが、琵琶湖の淡水貝類への影響は? | |
| 最近の環境省の調査で、ダイオキシンの影響でイヌワシの繁殖率が2割低下したという報告がある。 例えば、このようなことが琵琶湖の底で起こっていると考えたらどうだろう。もっとも汚染されやすいのは土である。つまり、湖の砂地のプランクトンなどを食している貝の毒性濃度はどれくらいだろうか。また、繁殖率は低下していないだろうか。 兎に角、琵琶湖の湖底の汚染度がどのくらいの値を示しているのか気になる。まして、湖の水が全て入れ替わるサイクルは15〜20年と言う。 |
![]() 固有種ササノハガイ |
![]() タテボシガイ |
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| どこか変だ!湖畔の2羽の野鳥。これでいいの? | |
| ●可哀想なユリカモメ 犬上川の河口に、飛べないユリカモメがいた。近づくと泳いで遠くへ離れる。よく見るとバス釣りの擬似餌がありその釣り糸に絡まっている。かなり弱り始めているのだろう、それを狙ってハシボソカラスが群れている。 |
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| ●そのカモメを襲う変なカラス この変なカラスは、犬上川河口のタチヤナギの枝先で巣づくりをしている。その下に上の傷ついたカモメがいるから当然狙うだろう。何が変だというと「次列風切」と呼ばれる部分が真っ白なのだ。 |
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| 右の図は、分かりやすくするため色とりどりの羽根だが、カラスだから示した部分以外は黒羽だ。両方に均等にある。 なぜなんだろう。誰かがマーキングしたのか?、かって伊吹山のイヌワシも前縁と呼ばれるところが白くなっていたと、人から聞いたことがある。もし、人間がマーキングしたとしたらこりゃ、たとえ実験としてもあまりいい気はしない。 |
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| 自然観察の原点に還る、それは"ありがままの自然を観る”こと | |
| この観察会は、単に樹木や貝や野鳥の名前を同定することだけでなく、ありがままの自然を見て、なにかおかしいな?、どうすればよいだろう?、豊かな自然ってなんだろう?など自然観察の原点に戻ることを呼び戻してくれたような気がする。 最近特に反省しなければならないのは、郷土人のための観察会が、植物の名前や動物の名前を知るという知識を植えつける勉強会にとどまってしまっていることだ。このため、次第に一般の人の参加が少なくなってきている。 今回は彦根支部としては、最後の観察会となったが、このHPの「自然観察会のみりょく」を再度、読み直し、「自然とともだち」になりたいという気持ちで自然の中に入って体験できるような自然観察会を開催して行きたいと思っています。 それでは、4月16日(土)は、霊仙山山麓での自然観察会です。 詳細は、HPトップからご覧ください。 |
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湖岸のクロマツの雪模様 |
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