+琵琶湖の水質と追うランク豚を調べる

★観察日時:平成16年9月5日(日) 10:00〜14:40
★観察場所:琵琶湖竹生島沖、沖の白石付近
★天  候:くもり、湿度高い
     (午前中の温度26.5℃、午後の温度30.1℃)
★講  師:本多登美子先生(滋賀県環境アドバイザー・環境セミナー船講師)
★参加者:おとな23名、こども(小学生以下)8名
★参加会員:渡邊輝世、出雲孝子、石谷彬、村川辰也、長束憲一、大橋俊一、筒井杏正(7名)
★観察会の行程
彦根港(10:05)出港-----→竹生島沖で観察(10:45〜11:30)-----→今津港(12:00〜13:00:昼食・琵琶湖就航の歌記念館見学)-----→沖の白石付近の沖合で観察(13:30〜13:50)-----→多景島上陸(14:10〜14:30)-----→彦根港着(14:50)

★観察したこと
1.琵琶湖の水調べ:気温・水温(表層と深層)、透明度の測定、PHの測定
2.プランクトンの観察:プランクトンネットでの採水方法、顕微鏡の使い方、植物プランクトンと動物プランクとについて

 彦愛犬自然観察会の筒井指導員が、琵琶湖の水環境を中心とした体験的な学習の場として運航される環境セミナー船「みずすまし」の役割、乗船上の注意、本日学習する水調べと淡水プランクトンのあらまし、本日の運航コースについて話す。

1●水調べと淡水プランクトンの事前学習(船内10:05〜)本多講師
 乗船後、専用のテキストが全員に配付され、本多講師から水調べの方法とプランクトンの採取と顕微鏡による観察の方法、また、最近の琵琶湖の水環境についのお話を聞く。
 この中で「琵琶湖の水は、酸性? アルカリ性?」の質問の
答えは、実験後ということで楽しみに残す。
 淡水プランクトンでは、植物プランクトンと動物プランクト
ンがいるが、植物プランクトンでも動くものがいることを聞い
て、みんなもちょっと首をかしげる。
 こんなのが採取できればいいと、みんなはこれからはじまる
採水と観察に目を輝かせる。


2●琵琶湖の水調べ

「水調べ」と「プランクトン調べ」の2グループに分かれ外に出る。

●調べた場所と時間
 第1回:竹生島沖
   (10:40〜11:30)
 第2回:沖の白石の周辺
   (13:30〜13:50)

※水温は、表層は水深約5m、深層は水深約50mの水をバケツに採水し計測した

水温を調べる。
●気温と水温の測定
観測場所
気 温
表層の水温(℃)
深層の水温(℃)
竹生島沖
26.5
26.5
10.0
沖の白石付近
30.1
27.1
10.0

●透明度とPHの測定
観測場所
透明度(m)
表層のPH値
深層のPH値
竹生島沖
6.5
8.7
7.0
沖の白石付近
7.0
8.5
7.0

●パックテストを使って水の汚れを調べる。
1.PH(ペーハー)は水の賛成・中性・アルカリ性を示す指標です。琵琶湖では、水中の二酸化炭素の影響を受けるので、水草や植物プランクトンの光合成が盛んな天気の良い日は弱アルカリ性を示します。


水質を調べる。

バケツにくみ取った水深約50m
の深層水の水温は10.0℃。
とても冷たく、気持ちい。

<水調べで分かったこと>

 琵琶湖の表層の水温は、大気温に比例し上昇し、案外高いことを知る。深層(約50m)の水温は、2ヶ所とも10℃と一定。数人がこの深層水を飲んでみたが3人が美味しい、1人が生臭い、もう一人は無反応だった。
 透明度は大変良い。そしてPHを見ると、なんと湖水は弱アルカリとの反応が出た。それに深層水は、中性であることも分かった。
 北湖は透明度も高く、この調査では、まぁまぁの水質と言えるかもしれない。次回は、南湖を調べ比較したい。

白い盆状の板を沈めて
水の透明度を調べる




3●琵琶湖の淡水プランクトンを採取し、顕微鏡で観察する。
●調べた場所と時間
 第1回:竹生島沖
 (10:40〜11:30)
 第2回:沖の白石の周辺
 (13:30〜13:50)
●観察した植物プランクトン
 ミクロキスティス(アオコをつくる)、ビワクンショウモ(元は琵琶湖特産種)、スタウラスツルム
●観察した動物プランクトン
タマヒゲマワリ、ヒゲナガミジンコ、ノウプリウス、ケンミジンコの幼生


プランクトンネット
で採水する

<プランクトンを観察する>
 集めた水をスライドガラスに1〜2滴とってプレパラートをつくり、顕微鏡でどれだけの種類がいるか観察する。


プレパラートをつくる。

顕微鏡で調べる。
▼デジカメを顕微鏡に直接あてて撮影した画像▼

4種類のプランクトンが見られた。

デジカメを直接、顕微鏡にくっつけ撮ってみると、なんと左のような写真が撮れた。ビワコクンショウモやヒゲナガミジンコ、スタウラスツルム、ミクロキスティスなどが写っていた。これを見たみんなは感激。


<感想>
 プランクトンネットを使って採取するのも、じっくりプランクトンを顕微鏡で見るのは、かえって子供たちより大人たちの方が初体験という人が多い。このような機会はめったにないといえる。顕微鏡をのぞき込み、プランクトンの奇妙な形や難しそうなカタカナの呼び名にテキストを見ながらささやいていた。もちろん、子供たちも、自分でプレパラートをつくり挑戦してみる。「見えた、見えた」の言葉に、みんなもその顕微鏡の周囲に集まる。ミクロの世界をのぞくと言う感動もあり、賑やかで楽しい観察会となった。

顕微鏡で観察する。

コクピットを見学。

プランクトンネットの使い方を習う。


4●琵琶湖上から眺めた景色

伊吹山を望む

 生憎の秋雨前線の曇り空で、伊吹山の頂はすっぽり厚い雲に覆われている。今ごろ山頂のお花畑は、すっかり秋花に移りサラシナショウマ、イブキトリカブト、アキノキリンソウなどが咲き誇っているのだろう。



竹生島の北側を見る

 3年前、この畝に乗って同じく竹生島沖に来た。その時の竹生島は、多くのカワウとシロサギの糞で、ほとんどの樹木が枯れていたように思う。しかし、今日見る山は緑が蘇り、あれほど群れていた鳥たちの姿は、激変していた。


沖の白石を間近に見る

 参加会員の一人が、「若かりし頃ヨットで琵琶湖の島々を巡ったことがある。この頃、この沖の白石には、形の良い黒松が生えていましたよ。」と話してくれた。ところでこの岩質は、湖東流紋岩で安土城の石垣に使われている。なるほど、城郭の石垣にぴったりの堅個な様相だ。




 本日参加されたほとんどの方は、環境セミナー船「みずすまし」に乗船し、このように琵琶湖を5時間近く巡るのは初体験でした。そして、琵琶湖の水を調べ、プランクトンを観察する中で、琵琶湖の自然環境を考えることができました。このことは大人たちにとっても、次世代を担う子どもたちにとっても、素晴らしい体験であったと思います。そして、来年も機会があれば、同じように取り組んでみたいと思います。


彦愛犬の自然観察会 情報局 筒井杏正
E-mail:ansho@mx.biwa.ne.jp