ほたるの乱舞に酔いしれた今夜

★観察期日:2004年(平成16年)6月5日(土)
★事前学習:19:00〜20:30(ほたるの生態&ほたると日本文学)
★観察場所&時間:四手川支流(多賀町)20:40〜21:30
★参加人数:46名(うち子ども20名)
★参加会員:阿部(リーダ)、筒井(講義)、金尾(講義)、西澤、出雲、田中、柴田
★レポート:筒井杏正、★撮影:西澤一弘、筒井杏正

 結果的に梅雨入りの前日となったこの日は、朝から青空が広がり、夜になっても、雨も降らず風も少なく絶好のほたるの観察会日和となった。初めのセッションは午後7:00から「多賀勤労者体育センター」でホタルの事前学習を行った。
ホタルを見る前の事前学習
 最初の学習会は、金尾指導員による「ホタルの種類とその生態」について、さまざまな画像とともに解説をいただいた。
 日本では光るホタルの種類は少ないものの、ホタルのなかまとなるとかなりあげられ、子どもたちも目を丸め興味津々だった。
 また、ホタルは午後9時頃から、もっとも活動的になって輝くとの解説とその証拠の画像を見て、早く見たいとするはやる心を押えていた。
 しかし、とても詳細でしかも分かりやすい解説で、大人たちもしきりうなずいておられた。
 つづいて、筒井が「ホタルと日本文学」という少し固いテーマを映像とともに解説した。例えば、人々とホタルの出会いは、稲作が始まった弥生時代ではないか、また、ホタルが日本の古典文学「源氏物語」に登場する「玉鬘」の一節を解説したり、江戸時代のホタル狩りを描いた浮世絵などを画像で上映した。
 子どもたちには少し難しいが、ホタルを人間の暮しや文学の中でどのように捉えられてきたかを知ることができる学習会でもあった。

四手川支流でホタルの乱舞を観察
事前研修会を終え、一斉に多賀町役場駐車場へ車で移動。
ホタルの観察会の場所は、この駐車場から徒歩約5分の四手川支流
 川幅は約10mあり、回りに少し人家があるが、街頭の灯はない。
しかも、今夜は温かく無風で、ホタルが出るに絶好の条件を満たしていた。
到着すると、思いの通りにホタルが乱舞している。
河畔には樹木が数えるほど少なく、また下流には、木が一本も見当たらない。このためか、この辺りに集中しているようだ。
 子どもはもちろん大人たちも大はしゃぎだ。多賀博物館から持参した虫とり網を使って、群れ飛ぶホタルをすくい取る。網の中にはもう20匹以上が入っているだろうか美しく輝いている。やがて、追いかけなくてもホタルの方からやってくる様だ。

お母さん、指先にとまったよ。

私の手にものっかた。

ヨシ原の川岸を飛び交うホタル

ぼくの手の中で光ってるよ。
 
 観察会のために用意されたホタルカード
ここには、ゲンジボタルのオスとメスの見分け方
また、ヘイケボタルとの違いなどが一目で分かり、
しかも、蛍光塗料が塗ってあって、光る部分の違いさへ分かってしまうという優れもののカードだ。
 辺りは、ほとんどがゲンンジボタルだ。ヘイケボタルは、ゲンジより一週間以上あとから発生する。また、発生場所は、どちらかといえば田んぼで、最適水温は20℃と少し高めだ。

ヘイケボタルが1匹だけ見つかったよ。

これはヘイケボタルかな?

ねぇ見て、こんなに輝いてる。

肩にたかってるわよ。

僕にも持たせて。

これはゲンジボタルのメスだね。
 今夜、これほど(約200匹以上)のゲンジボタルが見えたことは、天候的な条件とホタルが好む環境の場所に広がりがなく、川幅10mでその長さが50m足らずの場所に集中していたことも考えられる。
 しかし、下見では別の場所を予定していたのだが、例年よりホタルの発生率が極端に減少してわずか15匹程度確認できた。その後、知ったことは、その理由の一つと考えられるのが「水質浄化のための鯉の放流」だ。鯉は確かに水質汚染につながるケイ藻類(植物プランクトン)なども食し、浄化の役を果している。最近、美しい川をとりもどそうなどの運動で、あちこちの町中の川に野鯉やニシキ鯉が放流されている。しかし、鯉の口は下向きについていて泥など吸い込みろ過しながら食べるようになっている。ここで、厄介なのはゲンジボタルの幼虫は、この泥の中にいるため、ややもすると幼虫を吸い込んで食べてしまっているかもしれないからだ。しかし、これはホタルが減少した大きな要因であるかはわからない。