この6月末までゴンドラは、修理点検のために営業停止です。滋賀県側から登山する多くの人は、山麓の上野集落の三宮神社の登山口から登ることになります。6月半ばの休日、それでも多くの登山者が山頂をめざしています。
 しかし、スキー場を経営する近江鉄道(西武鉄道グループ)は、経営不振のため閉鎖することを決め、このゴンドラも10月半ばまでとなりました。関西スキー場のメッカとさえ言われた伊吹山スキー場が無くなることは、私たちの無念以上に、地元の経済的な打撃は計り知れないものがあると思われます。
 こんな思いを胸に秘め、今日は、1合目から山頂をめざしました。このシーズン、ゲレンデは、ハングライダーの発着場所となり賑わいをみせるため、少し林道に入り3合目をめざします。この林道は、かえってゲレンデの登山道を歩くより、植生は豊かです。始めに迎えてくれたのは山腹の法面に無数に咲くホタルブクロの群生でした。(同定ではヤマホタルブクロ)
 林道沿いには、数は少ないのですがヤマボウシが涼しげで清楚な彩りを見せてくれます。

ヤマボウシ→


ヤマアジサイ

ガマズミ
 同じく樹木の花は、ガマズミ、ヒメウツギ、バイカウツギ、エゴノキ、ヤマアジサイ、イボタノキ、サルナシなども見られます。この季節の樹木の花がほとんど白いのは、何か意味があるのでしょうか?、まるで六月の花嫁の白むくやウエディングドレスを思わすような装いばかりです。

ヒメウツギ

バイカウツギ

エゴノキの花

サルナシの花
 さらに林道を登って行くと、ヤマグワ、山桜のサクランボ、モミジイチゴなど、夏の果実も見られます。
ヤマグワ
黒く熟した実が美味しいヤマグワ

酸っぱくて少し甘いサクランボ

3合目に着くと 梅雨入り前の晴れの合間が広がりました。
高原や雑木林が一段と緑を増し、自然が成長する逞しさを教えてくれます。
 3合目ゲレンデの中間のところにミヤマトウキが群生して咲いています。伊吹薬草の湯の材料として使用される成分の一つで独特の香りがします。


 葉っぱには光沢があり、摘んで手でもんだだけで、たちまちその香りがひろがり、いつまでも匂いが指に残ります。


やや湿ったところに群生して
咲くサワギク。3合目までに多い。

タツナミソウに混じって
オカタツナミソウも咲いていました。

3合目草原のあちこちに
蕾を膨らませるササユリの開花も間近

そろそろ咲き始めたユウスゲ
ゆうすげ祭りは7/17(日)
3〜6合目あたりまで、草原を黄色く染めているのは、キバナノレンリソウとキバナハタザオの群生です。(下の2つの写真)
▲キバナノレンリソウは、信長時代、ポルトガルの宣教師が薬草園を作ったとされる証だと云われています。
▲キバナハタザオ。山頂に行くと同じような春の花、ヤマガラシがまだ咲き残っていす。

5〜6合目あたりは、カンボクの白い花が目立ちます。
 7合目あたりから山頂近くになると、目立つ樹木の花はイブキシモツケ、サワフタギになります。その他、マユミ、ハナヒリノキなど小さな花も見逃せません。

シモツケの群生(登山道8合目あたり)

タンナサワフタギの花(山頂近くの東回りコース)
6月中旬から7月初旬を飾る花々です。

花盛りちょっと過ぎの
グンナイフウロ

濃い色、淡い色など
あと2週間ほど楽しめそう。
クサタチバナ→

クサタチバナは花盛り、ヒヨクソウは盛りをちょっと過ぎ。


↑ヒヨクソウ


7合目あたりに少し残る
オドリコソウ(山頂はこれから)

林道〜3合目は花盛り
すそ野から山頂へ開花するクサフジ

イブキフウロにしては?
学説の花びらが3つに分かれるでない。

毛が薄いからハクサンフウロ?
エゾフウロ?私の頭のことではない。
 伊吹山には、いくつかのフウロソウ(風露草)と呼ばれる花が咲きます。今、咲いているのは大輪のグンナイフウロ、これからどんどん夏にかけて開花するのは、エゾフウロ、ハクサンフウロ、イブキフウロ、ヒメフウロ、夏を過ぎるとミツバフウロがあります。  この違いは、私たちが発行している100円の植物ガイドをご覧ください。
でも上のハクサンフウロorエゾフウロ?、それともこれらのcrossbreed?、最近のタンポポもこんな感じらしいですね。

ヒメフウロ

約6分咲のカノコソウ

まだまだ、これからイブキトラノオ
 東回りコースのやや山頂駐車場近くで見られれるオオナルコユリ。
 この近くでは、あと一週間もすれば、バイケイソウの開花も見られます。
これから夏に向って咲き出すカラフルな花々
 伊吹山の花は、これから夏に向かい日毎にカラフルな色に変化して行きます。7月初旬からは、山頂のニッコウキスゲ、3合目のユウスゲが見事な大輪を咲かせます。この後には、青紫のクガイソウ、黄色のメタカラコウ、淡い紫のオオバギボウシ、そしてピンクの絨毯を敷き詰めたようになるシモツケソウが7月中旬から咲き始めます。
山のマナーを守って!
 伊吹山の登山客は、比較的山のマナーを守り、登山道にあまりゴミなどは落ちていません。しかし、草もまだ茂っていないこの春、美化活動でお花畑の清掃を行いました。するとどうでしょう、登山道では見られなかった空き缶が、登山道沿い10mほどの斜面に平行して多く掘り投げられているのを見つけることができました。
 このような現象が、来春の清掃活動で見られないことを祈ります。海に行く人は、海のマナー、山へ行く人は、山のマナー、皆が自然を楽しむなら、自然に対するマナーを守ってこそ、自然と親しむ資格があると思います。


滋賀自然環境保全・学習ネットワーク
伊吹山自然観察会事務局:筒井 杏正
ibuki@ds-j.com