4月29日 伊吹山ニュース

 ゴールデンウィーク初日の4月29日。久々の陽気の中で伊吹山の春花の第1回目の調査にでかけた。ドライブウェイからの車客と滋賀県側からの登山客で山頂付近は、かなりの来山者で賑わっている。
 山頂の気温は摂氏11度。下界より10度の温度差があり肌寒い。しかし、例年に見られる残雪を見ることはなかった。西廻りコースの全容は、下記の写真だが、まだ、枯草色が目立つ。しかし、その合間からは数々の若芽が吹き出し、よく見ると美しく可憐な花が無数に咲き誇っていた。
<調査行程>
山頂駐車場発(10:50)→西廻り→山頂(昼食・12::10〜13:00)→(登山道下山)→8合目着(13:30)→山頂(14:30)→東廻り→山頂駐車場着(16:00)

滋賀自然観察指導者連絡会「伊吹山自然観察会グループ」
当日の調査メンバー:村上宣雄、大橋邦男、西澤一弘、井田三良、綾木陽一、筒井杏正
レポート:筒井杏正

※ここに掲載されている写真の無断使用を禁じます。

山頂駐車場から西廻りコース
まず、花を紹介する前に「びっくりニュース」
▼「カモシカ」が、目前でゆうゆうと若草を喰む▼
 ちょうど登山道を8合目まで下った時、約100m先の斜面に、肉眼ではっきり見える動物が草を喰んでいる。目を凝らしよ〜く見ると明らかにカモシカだ。
 これは、ほぼ肉眼の倍率で見た写真。登山客は十数名いただろうか。双眼鏡をのぞいて「はじめて見た」とみんなが騒いで感動している。
多分、先方も我々に気づいていることは確かだ。

カモシカの撮影:綾木陽一
(伊吹山自然観察会グループ)

 この写真は、少し望遠で撮影したもの。
こちらの様子をうかがっているのか、時々顔を向けてくれる。
 そうしたと思うと、また草を喰みだす。まるで、放牧されているのではないかと勘違いするほど、じつに堂々というか悠々としている。
 昨年の初秋にも「アナグマ」が、西廻りコースで我々の目の前にあらわれた。
 このときも写真でバッチリとらえ、HPにさっそく掲載した。(アナグマへリンク)

アナグマの撮影:辻田良雄
(伊吹山自然観察会グループ)

 また、昨夏には山頂付近にツキノワグマが現れ、伊吹町役場の職員が「クマ出没、注意!」の看板をあちこちに立てるという大騒ぎがあった。
 その他、伊吹山で珍しく見られるのは、天然記念物のイヌワシもそうである。

 また、山頂のお花畑は、国の天然記念物指定候補にあがり、来年あたりはそうなるかもしれない。
伊吹山は、ドライブウェイで山頂駐車場まで車で行ける。そこからわずか40分ほどで山頂に登れる気軽な行楽地となり、年々来山する人は増している。このためか、ハイヒールや厚底サンダルで登り、ねんざや骨折する人もいる。また、犬連れの人も多くときどき解き放し貴重な花畑を踏み荒らすときもある。また、カメラマンもじつに多い。美しい花々を撮影するのは結構だが、堂々と花畑に進入したり、三脚の足を踏み入れ、小さな花を踏みつぶしているのにも気がつかない。

こんなことがないよう山のマナーや自然の大切さ知り、
来山者みんなで守ろうよ。伊吹山の自然を!


<開花していた植物>(◎多かったもの)
レポート:井田三良

●西回りコース
ショウジョウバカマ◎、ホクリクネコノメソウ、ヤマネコノメソウ◎、ニリンソウ◎、キバナノアマナ、ツルキジムシロ、セントウソウ(イブキ?)、ヤマエンゴサク、アマナ◎
●登山道(頂上〜8合目)
スズシロソウ◎、セントウソウ◎、ツルキジムシロ◎、カテンソウ○、ヤマエンゴザク○、ヤマネコノメソウ◎、ハコベ、オオイヌノフグリ○、ショウジョウバカマ○、ニリンソウ◎、キバナノアマナ、イブキハタザオ
●東回りコース
ツルキジムシロ○、セントウソウ○、ヤマネコノメソウ◎、ニリンソウ◎、ショウジョウバカマ◎、ヤマエンゴサク、エンレイソウ◎、ミヤマカタバミ、、ホクリクネコノメソウ、バイケイソウ(葉◎)

▼4月29日に咲いていた代表的な花の写真を紹介▼
花の撮影:筒井杏正
ショウジョウバカマ
 西廻りコースのすぐ左斜面にあちこちと咲く、この花は、山頂付近へと続き、東廻りコースでもよく見られた。

花色は、中国伝説の動物、
猩々の赤い顔に似た
色というがじつに鮮やか。
・ヤマネコノメソウ
 猫の目に例えたこの花は、湿った山地なら、あんがい、よく見られる。伊吹山も全体に咲いているようだ。
・ボタンネコノメソウ
 山地の谷沿いの湿地に生える多年草。ヤマネコノメソウのように多く見られなかったが、西廻りや東廻りコースの登山道に少し咲いていた。
・ニリンソウ
 山麓では、すでに開花は終わりかもしれないが、山頂付近は、これからが盛り。どのコースをたどっても、道端やお花畑には、必ず咲いている。蕾から咲き始めるときは、赤色だが、だんだん白くなる。
・アマナ
 日当たりの良い草地ならどこにでもある多年草。山頂付近の西廻りコースに群生していたが、この日は冷たい強風にあおられ、どの花も半開きの状態だった。
・キバナノアマナ
 山野に生える多年草。ドライブウェイ側や山頂では余り多くはないが、登山道の岩陰に咲いていた。
・セントウソウ
 小さい白い花だが、あちこちに咲いている。
よく見るとじつに繊細で可愛い。山野や林内に普通に見られる。
・ヤマエンゴサク
 この花も、けっこう見られた。淡い赤紫の
花色はケシ科の花にふさわしく、とても美しい。

・エンレイソウ
 山頂駐車場から東廻りコースを少し登った林内に群生している。独特な形をしているため目立つが、花の色はくすんだ紅褐色だ。それでもじっと眺めるときれいだ。自然観察は、有りがままをじっと見ることが基本、するとそのものの本質が見えてくる。